出雲の名物は「昼そば・夜のどぐろ」が正解。地元民が教える失敗しない美食ルート

[著者情報]

この記事を書いた人:石田 亮一(いしだ りょういち)
山陰グルメ・トラベルライター / 元・出雲市の観光協会関連の業者
観光客向けの「表の顔」だけでなく、地元民が愛する「裏の正解」を発信し続けている。「美味しいものは、地元の日常の中にこそある」がモットー。

「せっかくの出雲旅行、一食たりとも失敗したくない」

そう思ってガイドブックを開いたものの、似たようなお店ばかりが並んでいて、結局どこに行けばいいのか分からず途方に暮れていませんか?

移動中の新幹線やバスの中で、スマホの画面をスクロールし続けているあなたへ。

もう、迷うのは終わりにしましょう。

限られた1泊2日の旅行で、有名店の行列に並んで貴重な時間を潰すのはあまりにももったいないことです。

元地元観光協会関連で働いていた私が、観光客向けの「表のランキング」ではなく、地元民が日常的に通う「裏の正解ルート」をこっそり提案します。

結論から言います。

昼はタクシーを使ってでも行きたい穴場の蕎麦、夜は予約必須の絶品のどぐろ。

そしてお土産は地元のスーパーで買う。

これが、賢い大人が選ぶべき「出雲旅の賢い方法」です。

【基礎知識】出雲グルメは「エリアの使い分け」で9割決まる

まず、多くの旅行者が陥りがちな「夜ご飯難民」のリスクを回避するために、出雲の地理的な特徴を理解しておきましょう。

ガイドブックでは同じページに掲載されがちですが、昼の観光中心地である「出雲大社エリア」と、夜の飲食街である「出雲市駅エリア」は、地理的にも機能的にも完全に分断されています。

車で約20分(約10km)離れているこの2つのエリアの距離感を見誤ると、「大社周辺で夜ご飯を食べようと思ったら、店がどこも開いていない」という事態に陥ります。

出雲大社周辺のお店の多くは、参拝客に合わせて夕方には閉店してしまいます。

一方で、地元民が通う美味しい居酒屋や海鮮料理店は、出雲市駅周辺に集中しているのです。

つまり、「昼は出雲大社エリアでそばを食べ、夜は出雲市駅エリアに移動して海鮮を楽しむ」という動線を確保することが、出雲グルメを制する絶対条件となります。

出雲グルメの鉄則「エリアの使い分け」

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【ランチ】出雲そばは「平和そば本店」へタクシーで逃げよ

「出雲に来たからには、一番有名なそば屋に行きたい」

その気持ちは痛いほど分かります。

しかし、ガイドブックのトップに載っている「荒木屋」や「田中屋」といった有名店は、休日ともなれば1〜2時間待ちは当たり前です。

限られた旅行の時間を行列で消費するくらいなら、私は声を大にして「平和そば本店」をおすすめします。

出雲大社の正門から徒歩約15分、タクシーならワンメーター強の距離にあるこのお店は、観光客の波が少し緩やかになる穴場です。

しかし、その味は地元民のお墨付き。

特に、私があなたに食べてほしいのは、名物の割子そばとセットになった「カツ丼」です。

「えっ、そば屋でカツ丼?」と思われるかもしれません。

ですが、甘めの出汁が染み込んだサクサクのカツと、香り高い手打ちそばの組み合わせは、地元民にとっての「ご馳走」そのものなのです。

有名店で長時間並んで疲弊するよりも、タクシー代を払ってでも「平和そば本店」へ移動し、ゆったりと絶品のそばとカツ丼を味わう。

これこそが、旅慣れた大人の賢い選択だと言えるでしょう。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 出雲大社前のタクシー乗り場から「平和そばまで」と伝えて移動してください。

なぜなら、徒歩15分は旅行中の体力温存を考えると意外と長く、道中で迷うリスクもあるからです。数百円のタクシー代で「時間」と「快適さ」を買い、浮いた時間で食後の参道散策を楽しみましょう。

【ディナー】「のどぐろ」はランチで探すな。駅前で予約せよ

島根県の名物といえば、高級魚「のどぐろ(アカムツ)」も外せません。

しかし、ここで注意が必要です。「のどぐろ」をランチで食べようとすると、提供している店が限られるうえに、観光地価格で割高になる傾向があります。

のどぐろを最もコストパフォーマンス良く、かつ美味しく食べる正解は、「出雲市駅前の居酒屋を夜に予約すること」です。

特におすすめしたいのが、出雲市駅北口から徒歩2分の場所にある「のどぐろ日本海」です。

店名に掲げる通り、のどぐろ料理に特化したこの居酒屋では、脂の乗った最高級ののどぐろを、塩焼き、煮付け、刺身、しゃぶしゃぶと、あらゆる調理法で楽しむことができます。

ランチの海鮮丼で数切れののどぐろを食べるよりも、夜の落ち着いた雰囲気の中で、日本酒と共にじっくりと脂の旨味を堪能する。これこそが、美食の旅のハイライトにふさわしい体験です。

ただし、このお店も地元民や出張族に大人気のため、事前の電話予約は必須です。

「当日行けばなんとかなる」という考えは捨て、今すぐ予約を入れることを強くおすすめします。

のどぐろの塩焼きと日本酒

【お土産】会社用と自分用はスーパー「ラピタ」で調達

旅の最後を締めくくるお土産選び。

空港や参道のお土産屋さんも素敵ですが、会社へのバラマキ用や、自分用の食材を買うなら、地元のスーパーマーケット「ラピタ」や「イオン」こそが宝の山です。

なぜわざわざスーパーに行くのか?

それは、同じ商品が観光地価格よりも圧倒的に安く、そして地元民しか知らない「レアな味」が手に入るからです。

例えば、以下の3つはスーパーで探すべきマストバイアイテムです。

  1. バラパン:
    島根県民のソウルフードとも言える、バラの花の形をしたご当地パン。レトロなパッケージが可愛らしく、友人へのお土産にも喜ばれます。パンコーナーで100円〜150円程度で手に入ります。
  2. しじみ(真空パック):
    宍道湖産のしじみは、お土産屋さんで買うと立派な箱に入って高価ですが、スーパーの鮮魚コーナーや乾物コーナーに行けば、簡易包装のものが半額近い価格で売られています。味は全く変わりません。自分用ならこれで十分です。
  3. 出雲のお福わけ:
    地元で愛されるお菓子。スーパーの銘店コーナーなら、箱入りだけでなくバラ売りされていることもあり、味見用に1つだけ買うといった使い方も可能です。

ラピタ本店は出雲市駅から車で5分ほどの場所にあります。

レンタカーを返す前や、駅に向かうタクシーで少し寄り道をして、地元の日常に紛れ込んでみてください。

「あ、これ地元の人がカゴに入れてたやつだ!」という発見も、旅の楽しい思い出になるはずです。

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よくある質問:出雲グルメの疑問を解決

最後に、私がよく聞かれる出雲グルメに関する疑問にお答えします。

Q. 出雲ぜんざいはどこで食べるのがおすすめですか?
A. 出雲大社参道にある「日本ぜんざい学会壱号店」または「出雲ぜんざい餅」が間違いありません。
どちらも参道のメインストリート(神門通り)にあり、紅白の白玉が入った伝統的なスタイルを楽しめます。歩き疲れた時の糖分補給に最適です。

Q. 食べ歩きできるおすすめグルメはありますか?
A. 写真映えも狙うなら、「おふく焼き」がおすすめです。
ふぐの形をした可愛らしい焼き菓子で、参道近くの「福乃和」で販売されています。また、小腹が空いているなら「大社焼きそば」もローカル感があって良いでしょう。

Q. 予約なしでも入れるお店はありますか?
A. 週末の夜は、駅周辺の人気店はどこも満席になる可能性が高いです。
もし予約をしていない場合は、早めの時間(17時台)に行くか、大手チェーン店を選ぶのが無難ですが、せっかくの旅行ですので、やはり事前の電話確認を強く推奨します。

「美味しい出雲」は、ガイドブックの少し先にある

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

  • 昼はタクシーで「平和そば本店」へ行き、行列を回避して絶品カツ丼セットを食べる。
  • 夜は出雲市駅前の「のどぐろ日本海」を予約し、最高ののどぐろと日本酒に酔いしれる。
  • お土産はスーパー「ラピタ」で、地元価格のバラパンとしじみを賢く手に入れる。

これが、私が提案する「失敗しない出雲美食ルート」です。

ガイドブック通りに有名店を巡るのも一つの旅の形ですが、自分の足と知恵を使って選んだお店での体験は、きっと何倍も美味しく、深く心に残るはずです。

「あの店、本当に美味しかったね!」「スーパーでお土産買うの、楽しかったね!」
帰りの電車の中で、友人とそんな会話が弾むことを願っています。

さあ、スマホを置いて、出雲の美味しい空気と食事を思い切り楽しんできてください。
良い旅を!

出雲といえば・・・ シリーズ

→ 出雲といえば 割子そば

→ 出雲といえば のどぐろ

→ 出雲といえば ぜんざい

 

[参考文献リスト]