「ぜんざい」は「神在(じんざい)」だった。神話の国・出雲で味わう、縁結びの一杯

出雲ご縁旅コンシェルジュ・サキ

この記事の著者:出雲ご縁旅コンシェルジュ・サキ

出雲大社への参拝歴20回以上。「せっかく出雲に来たなら、物語ごと味わってほしい」をモットーに、歴史背景を知ることで旅がもっと深くなる情報を発信しています。

 

ガイドブックで「出雲ぜんざい」の文字を見て、「えっ、ぜんざいって出雲が発祥なの?」と驚きませんでしたか?

名古屋の小倉トーストのように、どこかの地域の名物だとは思っていても、まさか神話の国・出雲がルーツだとは意外ですよね。

実は、私たちが普段何気なく食べているぜんざいのルーツは、出雲の神話の中に隠されているんです。

この記事では、知れば誰かに話したくなる「ぜんざい発祥の物語」と、その物語を五感で味わえる「出雲大社周辺の名店」をご紹介します。

ただ甘いものを食べるだけじゃない、神様とのご縁を感じる特別な時間を過ごしてみませんか?


なぜ出雲が発祥?「神在餅(じんざいもち)」の不思議な物語

「ぜんざい」という言葉、実はある言葉が訛ってできたものだと言われています。

その言葉とは、「神在餅(じんざいもち)」です。

スポンサーリンク

神様が集まる「神在祭」で振る舞われたお餅

旧暦の10月、全国の神々が出雲に集まる「神在月(かみありづき)」をご存知でしょうか?

この期間中、出雲大社などで行われる「神在祭(かみありさい)」で、神様に供えられたお餅を小豆汁に入れて振る舞ったのが始まりだと言われています。

この「神在餅(じんざいもち)」が出雲弁で訛って「ずんざい」となり、それが京都や江戸に伝わる過程で「ぜんざい」へと変化していったのです。

ぜんざいの語源が「神在餅」

江戸時代の文献『祇園物語』にも、「出雲國に神有月といふ事あり。(中略)神有餅と申すを、じんざいと云ふ訛りなり」という記述が残っています。

つまり、ぜんざいを食べることは、神話の時代から続く「神様のお祭り」に参加することと同じ意味を持つのです。


ただの甘味じゃない!出雲ぜんざいが「縁起物」である理由

出雲ぜんざいが他の地域のぜんざいと違うのは、その「縁起の良さ」にあります。

多くのお店で提供される出雲ぜんざいには、ある特徴があります。

それは、「紅白のお餅(または白玉)」が入っていることです。

紅白は「縁結び」の証

紅白の色合わせは、お祝い事や「縁結び」を象徴しています。

出雲大社で良縁を祈願した後に、この紅白餅入りのぜんざいを食べる。

それは、神様からいただいたご縁を体内に取り込む「直会(なおらい)」のような儀式とも言えます。

ただの休憩ではありません。

「いいご縁がありますように」と願いを込めながら、温かいぜんざいをいただく。

その時間こそが、出雲旅行を特別なものにしてくれるのです。


スポンサーリンク

物語を食べるならここ!「日本ぜんざい学会 壱号店」

「せっかくなら、発祥の地の物語を一番感じられる場所で食べたい!」

そんなあなたにおすすめなのが、「日本ぜんざい学会 壱号店」です。

ここは単なる甘味処ではありません。

「出雲がぜんざい発祥の地である」という事実を全国に広め、地域を盛り上げるために立ち上がった地元の人々の想いが詰まった、いわば「ぜんざいの聖地」です。

店内はまるで資料館

店内には、ぜんざいの歴史や語源に関する資料が展示されており、待ち時間も物語の世界に浸ることができます。

そして肝心のぜんざいは、大粒の小豆がたっぷり入った、澄んだ甘さの王道スタイル。

もちろん、紅白の白玉が入っています。

「ここから物語が始まったんだ」という感慨に浸りながら食べる一杯は、格別の味わいです。

  • 場所: 出雲大社から徒歩すぐ(ご縁横丁の近く)
  • おすすめ: 出雲ぜんざい(紅白白玉入り)

参拝の余韻に浸るなら。出雲大社周辺のおすすめ名店2選

もちろん、他にも素敵なお店がたくさんあります。

あなたの旅のスタイルに合わせて、おすすめの2軒をご紹介します。

1. 出雲そばと一緒に楽しむなら「そば処 田中屋」

出雲大社の正門(勢溜)のすぐ目の前にある老舗です。

ここの魅力は、なんといっても「出雲そば」と「ぜんざい」を両方楽しめること

上品な甘さのぜんざいは、そばを食べた後のデザートにぴったり。

落ち着いた和の空間で、参拝の余韻に浸ることができます。

2. おしゃれに楽しむなら「甘味喫茶 くつろぎ和かふぇ 甘右衛門」

「ちょっとモダンな雰囲気で休憩したい」という方にはこちら。

名物の「愛しるこ(おしるこ)」は、ハート型の最中が浮いていて、写真映えも抜群!

女子旅やカップルでの利用に人気で、歩き疲れた体に染み渡る甘さが魅力です。


まとめ:神様とのご縁を、お腹の中から。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

「ぜんざい」という言葉の響きが、少し違って聞こえてきませんか?

出雲ぜんざいは、神様とあなたを結ぶ「美味しいご縁」です。

参拝の後は、ぜひ温かいぜんざいを食べてみてください。

その甘さは、旅の疲れを癒やすだけでなく、あなたの心と体に「福」を取り込んでくれるはずです。

神話の国・出雲で、素敵なご縁がありますように。


参考文献