【神々の旅立ちを見送る社】2025年(令和7年) 万九千神社「神在月」の過ごし方

出雲の地が一年で最も神聖な空気に包まれる「神在月(かみありづき)」。 この神秘的な季節に、全国の神様たちが出雲へ集まることは有名ですが、実は「神様たちが最後に立ち寄る、ほっとする場所」があるのをご存知ですか?

今回は、出雲大社からほど近い「万九千神社(まんくせんじんじゃ)」で行われる、2025年(令和7年)の神在月の行事について、初心者の方にも分かりやすく、優しく、そして詳しく解説します。

🌸 万九千神社ってどんなところ?

万九千神社は、出雲での「会議(神議り:かみはかり)」を終えた八百万(やおよろず)の神様たちが、最後に集まって「お疲れ様会(直会:なおらい)」を開き、それぞれの故郷へと旅立っていく、特別な場所です。

  • 神様たちの「旅立ちの杜」: 出雲大社が「神様が集まる場所」なら、万九千神社は「神様たちの宴と旅立ちの杜」。別れを惜しみ、来年また会うことを約束する、温かい宴がここで開かれます。
  • ご利益と結びつき: 神々が一堂に会する場所ですから、天下泰平はもちろん、特に縁結び生きる者全ての除災招福を深く祈念してくださいます。これから新しい一歩を踏み出したい女性や、素敵なご縁を願う方に、そっと寄り添ってくれるような温かな雰囲気の神社です。

🗓️ 令和7年(2025年) 神在月・特別な祭典スケジュール

神様をお迎えしてから、旅立ちを見送るまでの大切な日程を、行事ごとの詳細とともにお伝えします。

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1. 龍神祭(神迎え)

  • 開催日: 12月6日(土)[旧暦10月17日]
  • 時間: 午前4時頃より
  • 内容: まだ外が真っ暗な夜明け前、宮司さんがお一人で斐伊川(ひいかわ)の水辺へ向かい、龍神さんを秘儀にてお祭りし、八百万の神様たちを出雲にお迎えします。 これは、神在月を迎えるにあたって、神様たちを最初に迎える大切な儀式。このお祭りを境に、万九千神社は「お忌み入り」となり、神様が静かに過ごせるように、歌や舞などの音曲は控えられます。
  • 参拝について: 斐伊川での祭儀は非公開ですが、神様をお迎えする道中と、神殿内での祭儀は参列・拝観が可能です。(昇殿参拝を希望される方は玉串料が必要です。)

2. 神在祭

  • 期間: 2025年12月6日(土)〜12月15日(月)
  • 内容: 全国から集まった神様たちが、この社にお宿りになり、世の中の平和や人々の幸せ、特に「縁結び」について深く話し合い(神議り)をなさる期間です。この期間中、神社では毎日、神様へのお食事(日供)を献上し、皆さまの願いを込めて御祈念します。ご依頼に応じて、各種の特別祈祷も行われます。

3. 神在月の例大祭(神様を見送る日)

  • 開催日: 2025年12月15日(月)[旧暦10月26日]
  • 時間: 午後5時頃〜午後7時頃まで
  • 内容: 神在月の締めくくりとなる最も重要な大祭です。神様たちが出雲から旅立つ準備の時が近づいたことを奉告します。
    1. 湯立神楽(ゆだてかぐら): 午後5時頃から、湯笹(ゆざさ)を使ってお湯を振りまき、神様と参列者の前途を祓い清める、美しく力強い神楽が舞われます。(この神楽は約150年ぶりに復興された、非常に貴重なものです。)
    2. 神殿祭: たくさんのお米やお酒、海の幸・山の幸をお供えし、感謝と来年への願いを込めた祝詞(のりと)が奏上されます。
    3. 神等去出(からさで)神事: クライマックスは、神様たちが全国へ旅立つ神事です。宮司さんが**「おたちー、おたちー、おたちー」**と三度唱えながら、梅の小枝で幣殿の扉を叩く独特の作法(作法)が行われます。 この瞬間、神様たちは人知れぬ世界へと旅立たれます。神事終了後から翌朝未明までは、神様の邪魔をしないよう、参拝は控えるのが古くからの大切なならわしです。

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4. あと祭り(新嘗祭)

  • 開催日: 2025年12月16日(火)
  • 時間: 午後3時より
  • 内容: 全ての八百万神様が無事にそれぞれの場所へ旅立たれたことを祝い、寿ぐお祭りです。神在月の全ての行事が、このお祭りで終了となります。

✨ 特別祈願「神在(かみあり)みくじ」のご案内

この神在月だけの、特別な自分へのプレゼントとしておすすめなのが「神在みくじ」です。

  • 期間: 2025年11月20日(木)〜12月16日(火)
  • 体験の内容: これは普通の「おみくじ」とは一線を画します。まず、神殿(昇殿)にあがってお祓いを受け、玉串(たまぐし)を捧げて深くご祈念いただきます。その後、神職さんが八百万の神々のご神前で、明年のあなたの吉兆を秘儀によって神占いしてくださいます。
  • 特別な授与品: 結果は「神在みくじ」に記入され、お札やお守り、そしてこの時期だけの限定醸造のお神酒など、特別なお品とともにお分かちいただけます。

「来年はどんな年になるかな?」とワクワクしながら、神様たちからの特別なメッセージを受け取ってみてはいかがでしょうか。

きっと、新しい毎日に向けて背中を優しく押してもらえるはずですよ。

💡 参拝するときに知っておきたいこと

  • 「お静かに」を大切に: 神様たちが会議をしたり、休んだり、別れを惜しむ大切な期間です。境内ではなるべく静かに、穏やかな気持ちで過ごし、神様のお邪魔にならないように心を配りましょう。
  • 旅立ちの後はすぐに退散: 12月15日の「神等去出神事」終了後は、すぐに神域を立ち去るのがマナーです。翌朝未明までは、神様のみが知る世界となりますので、お参りはご遠慮ください。

神様たちが賑やかに宴を楽しみ、また新しい一年に向けて旅立っていく万九千神社。

あなたも、この神秘的な季節に足を運び、神様たちの温かいパワーをいただき、素敵なご縁と幸せを願ってみませんか?

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