旧暦10月、日本全国の八百万(やおよろず)の神々が一斉に出雲へと集う「神在月(かみありづき)」。
この時期、出雲大社とともに神々を迎える神聖な舞台となるのが、佐太神社(さだじんじゃ)です。
本記事では、佐太神社で執り行われる「神在祭(じんざいさい)」の流れやその意味、アクセスや周辺観光まで詳しく解説。
神話の世界と今をつなぐ、不思議で荘厳な時間を体験してみませんか?
佐太神社とは?古代から神迎えを担う由緒ある社
佐太神社は島根県松江市に鎮座する古社で、『出雲国風土記』にもその名が記される歴史ある神社です。
主祭神は導きの神・猿田彦命(さるたひこのみこと)。
交通安全や開運のご利益で知られる一方、古来より八百万の神々を迎える神事を執り行ってきた神在月の重要拠点でもあります。
古くは出雲国三大社の内の一つとして「佐陀大社」とも呼ばれた由緒ある古社で、出雲大社と並び神在月における神迎えの神事を今も受け継いでいる数少ない神社です。
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なぜ神々は佐太神社に集うのか?
神在月に全国の神々が出雲に集まる理由は、日本神話に登場する母なる神・伊弉冉尊(いざなみのみこと)の存在にあります。
実は佐太神社の裏手には、伊弉冉尊を祀る母儀人基社(はぎのひともとしゃ)が鎮座し、神々はこの母神に祈りを捧げるために集うとも伝えられています。
この社へは、佐太神社の本殿左手から石段を約70mほど登った先にあり、自然の中に息づく神聖な磐境(いわさか)も残されています。
訪れるだけで心が洗われるような、深い霊性に満ちたパワースポットです。
神在祭の流れ|神々が集い、去っていく神聖な儀式
佐太神社では、旧暦10月(新暦11月頃)に、以下のような流れで神在月の祭事が行われます。
1. 神迎神事(旧暦10月10日頃)
佐太神社からほど近い浜辺にて、篝火を焚きながら神々を迎える儀式。
海からやってくる神々を迎える荘厳な神事であり、静寂と炎の幻想的な雰囲気に包まれます。
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2. 神在祭
神々が佐太神社に滞在し、人と人との縁(えにし)や運命を話し合う「神議(かみはかり)」を行うと伝えられています。
社殿での儀式は、古式にのっとった静かで厳かな雰囲気に包まれています。
3. 神等去出祭(からさでさい/旧暦10月17日頃)
滞在した神々を、それぞれの地へと送り返す儀式です。
神迎神事とは対をなすもので、去りゆく神々に感謝と別れの祈りを捧げます。
※注意:神迎神事など一部神事は写真撮影が禁止されています。神域でのマナーを守り、現地の指示に従いましょう。
アクセス情報と観光のポイント
アクセス
- 最寄駅:一畑電車「一畑口駅」より車で約10分
- 松江市内から車で約30分、出雲市内からは約40分
- 駐車場:境内に無料駐車スペースあり
宿泊情報
神在月(11月)は特に混み合うため、出雲市や松江市内での早めの宿泊予約をおすすめします。
温泉地の玉造温泉や宍道湖周辺も人気です。
周辺観光スポット
- 出雲大社:縁結びのご利益で有名な神社
- 稲佐の浜:神迎神事の舞台として知られる聖地
- 日御碕神社:神々が海へ帰る神送神事にゆかりのある神社
- 母儀人基社:伊弉冉尊を祀る霊域
まとめ|佐太神社で神在月の神秘を体感しよう
佐太神社の神在祭は、単なる観光行事ではなく、古代から続く神話と信仰の世界に触れる神聖な儀式です。
出雲大社とはまた違った静けさと神秘に包まれたこの神社で、心を整え、新たなご縁を授かる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
神々が集うこの時期、あなたにも運命を変える出会いが訪れるかもしれません。
▶ 神在月の体験をより深く楽しむために、ぜひ佐太神社へ。